Pioneer パイオニアのカセットデッキ CT-770 です。

【注意】 写真に写っている本体のみの出品です。写りこんでいる測定機器やカセットテープは含まれません。

FGサーボ / ベルトドライブ / ダブルキャプスタン / リボンセンダストヘッド
/ ドルビーB ノイズリダクション対応機です。細かなスペックはネットで検索してみてください。

さまざまなテープに合わせて自動的に、バイアス、レベル、イコライザーを調整するAutoBLEを搭載しています。
もちろんこの機体でも動作しています。※ 特にこの機体では、BLEの動作調整がたいへんうまく行きました。
CT-770は、CT-970に比較すると下位機とされていますがオーディオ評論家である故 長岡鉄男に評価されたのは770でした。

品ゆえ小傷などがあります。しかし、この機種のなかでは綺麗な機体であると評価しています。
まずフロントパネルの洗浄やプラメッキ部品の研磨を行っていますが、取り切れていませんので
気になる方はご自身でプラメッキの研磨をさらに試みてみるのも良いかもしれません。
※研磨剤の入っていないプラメッキ用のものをお使いください。
また、筐体天板の左側側面下に一か所赤錆が発生していたので、削り落としてシャンパンゴールドで
レタッチしてあります。写真をご覧ください。また、天板には数本ひっかき傷があります。

この機体は、「ジャンク」を修理したものです。メカについては、一部分解して洗浄したのち時計用
機械油とシリコングリスで滑らかに回転し滑らかに動作するようにしました。またゴム関係の部品は
ピンチローラーを除いてすべて新しいものに交換してあります。アイドラーも交換済みです。
ピンチローラーには問題ありませんでした。

高音質で定評のあるリボンセンダストヘッドは耐摩耗性が優れていて、これまで磨耗していた機種は
みたことがありません。今後も長く使っていただけると思います。基板上の調整ポイントについても、
再生、録音、AutoBLEのすべての項目について、調整をすませてあります。テレビを録音してテープ
モニターしていてその差が私にはほとんどわからない水準に行っています。(私は年齢のため 11kHz
までしか聞こえません)

私が計測した限りではノーマルテープ -20dB録音にて、15kHz程までほぼフラット(歪率3%だと14kHzまで)、
それ以降、16KHzほどまではいけます。今回、90kHzまで平坦なホワイトノイズを用いて周波数特性を
撮ってみました。写真をご覧ください。15kHz以上もレベルが落ちていないのは、ヒスノイズが重畳され
ているためです。オシロで波形を見ると15kHz以上は波形が崩れています。低域の減衰はテープの性質上
避けられないものです。

経験された方ならわかると思いますが、11kHzあたりの音というのは、シンバルのシンシン・サラサラと
いった「輝き」の部分で、音楽の鑑賞に影響するのは10kHzくらいまでだと考えてよいと思います。
メタルテープ -20dB録音では、17kHz程までいけてました(歪率3%だと16kHzまで)。
※ 歪率は HP 8903Aで計測しました。 ワウフラッターが、0.03% (WTD)ほどで、ベルトドライブの
機種としては驚異的に良好だと思います。聞いている限りワウフラを感じることはありません。

匿名配送しか選べない？ようなので、商品の中に私のメールアドレスを書いたメモを入れておきます。
当面故障は無いと思いますが、ご購入後も修理部品の入手状況などを踏まえて、約1年間できる範囲で
メンテや修理を受け付けます。この場合、往復の送料は購入者負担で、部品代金・若干の手数料をいただきます。

【作業内容】

1. 外装の清掃と筐体上面の再塗装。プラメッキ部品の清掃研磨

2. ヘッドやメカ部の洗浄・機械式時計用オイルの注油・シリコングリス塗布・調整。

3. ゴム部品については、アイドラーもベルトも新品に交換してあります。
ピンチローラーについては、左右とも、軽く研磨したのちS-721Hという復活剤で処理してあります。

4. SONY製トルクメーターで、モーターのトルクを計測しました。巻取りリールで40g/cmあります。
十分と思います。バックテンションは7g/cmです。

5. ヘッド調整用ゲージABEX THG-801を用いて、録音・再生・消去ヘッドの位置を確認しましたが、
ズレはありませんでした。ミラーカセットも用いてテープ走行を確認しましたが、こちらもまったく
問題はありませんでした。

6. テープ速度変動はFGサーボで 2999-3004Hzでした。ワウフラッター用テストテープ SONY WS-48Aにて
ワウフラッターを計測して 0.028-0.03% (WTD/実測) 程度です。たいへん良好だと思います。

7. アジマス調整用テストテープ SONY P-4-A063にて録音再生ともアジマスの確認と調整をしました。
写真をご覧ください。

8. 再生イコライザ調整用テストテープ ABEX TCC-172A にて、315Hzに比較して 8kHzがおおよそ-0dBに
調整しました。高域も爽やかに展開します。

9. ノーマル TDK AD ハイポジ TDK SR メタル TDK MA で最適になるよう調整したうえで、AutoBLEを
動作させ、最適できました。

商品の発送は入金確認後となります。送料は落札者負担です。ヤマト宅配便の匿名配送で東京からの
発送となります。到着まで落札後1週間ほど余裕を見ていただきたく思います。

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