山本広巳作 窯変焼締後手急須になります。 本作品はガス窯焼成により窯変のグラデーション（最近は炎窯変などとよばれていますが）を発現させた後、 薪窯焼成にて焼しめたものと思われます。 ５年以上寝かせた万古の山土をつかい、窯変のグラデーションを生み出すため、ガス窯で5～6回焼成し、 加えて薪窯では100時間以上焼成しているとのことですので、途方もない時間、労力がかかっているようです。 これは山本広巳氏が、急須のことが好きだったため作成したと思われます。 費用対効果もそうですが、作品のクオリティー含め、今後似た作品が生まれる可能性はないでしょう。 窯変の景色と薪窯焼成による自然釉、黄ゴマの景色が作品全体を彩っています。 形はシンプルな球形ですが、シンプル故に鑑賞者に「美」を感じさせることは難しい形状です。 注ぎ口、蓋、胴体、取手のバランスが取れているため、景色が激しくも、崩れた印象を与えず美術品としての格を保っています。 本作品については寡聞にして類品をしりません。 平成５年６月の説明書がありますので、約３０年前ほどは作成されていたのかもしれません。 本作品は大きめの急須です。 日常使いもよいですが、サイズ、格ともに鑑賞陶器としても耐えうるものだと思います。 高さ13.3ｃｍ 幅12～19ｃｍ



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