SONY CDP-338ESD 高精度クロック交換改良点検整備品

SONYさんのCDP-338ESDになります。

これは・・・しばらく使用されていないプレーヤーは、本来の音が全く発揮されずに、音が眠いですね。こもったような感じで全く音が出てません。取り外して確認しましたが、思いのほか保っているものも多いのですが、一部の電解コンデンサが弱っていたり、リードの腐食などが、原因の一因です。それ以前に知っている方も少なからずいるのかもしれませんが、間違って取り付けられた部分のコンデンサも大きく膨れています。そこを修正して、電源を十分な時間繋いで音出ししてみてもやはり、本来の音には程遠いようです。

どうにも納得のいく音を出してはくれず、こんなものではないということは今までの経験から分かっていますので、前回と同じく電解コンデンサは全部、取り換えることにしました。ただ、電源部はサイズ的にも同じようなものがありませんので、取り付けるためには特別な加工が必要になります。他の電解コンデンサも、耐圧や容量が大きいものが多く、交換には他メーカーのプレーヤーの平均の２倍以上のコストがかかることとなりました。
又、交換も非常に手間がかかり、中でも、表示パネル内の電解コンは、２０か所以上ある表示管のハンダをすべて除去して、取り外した後にやっと交換できるという手間のかかりようでした。取り付けたコンデンサはそのほとんどをニチコンのオーディオ用のものに交換致しました。オーディオ部に関しては、好みのものを多めに使用してみました。
又、ネット上で指摘されている方がいましたが、オーディオ出力部の１本はプラスマイナスが逆に取り付けられており、御多分にもれず、この機種も吹いていましたので、新品交換時に正しい向きになるように取付しています。
ここまででも、リフレッシュ効果はありますが、更なる音質の充実のためにマスタークロックを元のものの精度の100分の1以上になる0.1ppmのものに交換致しました。電源から基板の入力点より、高精度クロック用の電源を取り、取り外した発振子の直上に高精度クロックを配置しました。ちなみに、高精度であるとはいっても、それが音質に即つながるわけではありません。ではなぜ、交換するのかと言いますと、このクロックが、低ジッターにも大きく貢献してくれるということもありますが、単純に音質が良くなる（好みのものになる）からです。そして、これにより、いわゆるS/N比等にも効果的だからです。これは、メーカー等の高級機などでも高精度なものなどを採用している理由が具体的にはっきりとしたことは言われてはいないので、私が勝手にどうこう言うことは信用して頂くしかないのですが、この機種に関しては、クロック交換により聴覚的に違いを感じることが出来、実に効果があると個人的には感じています。

整備内容
・パネル内やヘッドホン部を含め、全ての電解コンデンサを新品交換。そのほとんどをオーディオ用にしています。容量などはそのまま、耐圧は上げたところがあります。
・ピックアップレンズの清掃。
・可動部の清掃とグリスアップ。
・接点の清掃と、接点にコンタクトグリス塗布。
・トレイローディングベルトを新品交換。
・マスタークロックを高精度のクロック（温度補償水晶発振器、元の１００分の１の精度程になる0.1ppm、電源は基板入力点より取っています）を交換。
・オーディオ部のオペアンプ２個をオーディオ用の新品に交換。
・出力部に直列に入っているカーボン抵抗をオーディオ用の金属皮膜抵抗に交換。
・オーディオ部の一部、フィルムコンデンサを好みの音質に有利なものに交換。
・よく使う部分の内部のタクトスイッチを新品交換。（再生・停止・一時停止・スキップ・トレイオープン、使用感が良好になりました）
・内外部の清掃。
・インシュレーターの底部に張り付けてあるパーツの素材が痛んでいましたので、外してコルクにて張り替えています。
・その他

確認事項
・CD再生いたしました。（CD-Rも数種のメーカーや種類のものは再生しましたが、相性等ありますのですべての保証はできません、低温時や長い間使用しない時など電源投入後すぐの読み込み時に手間取る可能性があります）
・すべてのボタン反応しました。
・アナログ出力、ヴァリアブル・フィックスとも音声出力できました。
・ヴァリアブルはヘッドホン出力のボリュームにて音量調整が出来ますが、ガリがありましたので、手を入れて今はほぼ気になりませんが、時間が経てば、又、出る可能性があります。
・デジタル出力、コアキシャル・オプティカル共に出力できました。
・基本的動作以外は、プログラム等細かなすべての機能を確認したわけではありませんので、その辺はご了承ください。
・他機種のリモコンでの基本動作確認できました。
・経年なりのなので、部分的に、目だつ傷やスレ等あります。気になる方はご遠慮ください。側板に目立つ傷や浮きサビがありましたので、下地修正後に塗装しています。


付属品
・ありません。（リモコンは、SONYさんのCDプレーヤーは新旧・機種を問わず、どのリモコンでも使用できます。必要な方は、SONY CDプレーヤー用のものをご使用ください。基本動作は問題なく使えます。）

いろいろと交換が完了して、音出しをしてみましたら、生まれ変わりました。音が生き生きと鳴ってくれています。
解像度などが上がっているのは当たり前ですが、立体感というか、音場が広がり窮屈さが取れ、のびのびと広がっていきます。オペアンプも当初は、低雑音なタイプをつけていましたが、ここはもっと華やかさというか、躍動感も欲しかったので、聞き比べをしたうえで、今のオペアンプに落ち着きました。よりHiFiではないかもしれませんが、若干面白みに欠けるように感じたため、全体的に、明るい感じにしてみました。
337ESDのノーマル機と聞き比べてみましたところ、DACのチップは変わったのに、設計思想は変わらないせいか、パーツ交換後は若干似た音質になっています。ただし、音の端々を聴き比べていくと、かなりの差があることが分かります。337ESDは中級機ながら、物量をつぎ込み333ESDよりも、555ESDにかなり匹敵する音質を誇りますが、本機は音の端々の歪みも少なく、粒子感が明瞭で、解像度が高いせいか、好みはあると思いますが、満足度もより高いものに仕上がっています。透明感、クリアな感覚は聞き比べると圧倒的です。

又、聞けば聞くほど、音楽の楽しさがあふれ色々と、聴いてみたくなり、そして延々と聴けてしまいます。
もう、初めに感じていた物足りなさは感じませんし、繊細さや、音の粒子感などは、上位機種のX7ESDにも決してひけをとらないと思いますし、思いのほかバランスも優れていると思います。
高級機は、厚みや立体感もありますが、CDの音をありのままに聴くという点では満足度は高いのではないかと思います。
X7ESDなどの最上位モデルは下位機種よりも、かなり音質を突き詰めて作られているため、下手にいじってバランスを崩したりすることを考えると、下位機種の方が、伸びしろがある分パーツ交換による恩恵や、音質向上効果の上昇率がはるかに大きくなることが多少は想像頂けるのではないかと思います。

日々、朝起きて電源をいれCDを聴いて、心地よく朝を迎える。絶対的な性能を追求したというよりは、そんなふうに、日常の中で音楽を楽しむことを一番に考えて仕上げてみました。

そんな、思いに共感したと思う方に引き取って頂ければ幸いです。

説明分の中で、書いた感想等に関しては、私個人の感想です。システムや各個人により、感じ方や聞こえ方は違いますので、参考までになさってください。
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