1948年生まれの井崎さんは、愛知県に工房を持つ木工作家さん。この版画は、家具の製作者のほか版画家、木彫家など多彩な活動をなさっておられる井崎正治氏の2002年作の木版画。井崎氏は、どの作品を拝見しても、詩情あふれる温かみを感じさせる作家さんで、かつ多才です。 10年以上も前になりますが、井崎氏の東京での個展で、衝動買いした同氏の制作した大きい木製チェアーとともに購入した何点かの版画のうちの一つです。和紙を台紙に使った多色擦りの木版画で、額は,井崎氏が自ら作られたとおしゃっておられました。 この版画を見ていると、色々な楽器の音が（ここではアコーデオン・トランペット。小太鼓が描かれていますが）聞こえてきそうで、心がなごみます。大きな木製のチェアーは飲み物を置く台もついており、今も私のお気に入りで、どかっと座っては毎日本を読んだり、お茶を飲んだりして使っております。 この版画も私のお気に入りなのですが、自宅の壁面が大分手狭になりまして断腸の思いで、今回井崎作品の一つを手放すことに致しました。